確定申告・相続税・顧問税理士それぞれの税理士の選び方
税金にはさまざまな種類があります。消費税など、買い物をした際に、その場で差し引かれる税金もあれば、確定申告や相続税など、後々で自ら申告が必要な税金もあるため、税理士によるサポートを受けたいという個人や企業も多いです。今回は、確定申告・相続税・顧問税理士など、税金ごとで、それぞれの税理士の選び方のポイントを解説します。
税理士選びの際は2つの基本ポイントを押さえよう
確定申告を行う際は、自分で資料を揃えて書類に記載したり、納税システムであるe-taxの対応を行ったり、なかなか慣れない作業であればあるほど、信頼できる税理士に内容を相談したいと考えることでしょう。
相談できる税理士を選ぶ際は、当然、優秀な人物を選びたいところですが、仕事ができるという基本的な点以外で、2つのポイントに注意しておけば、よりよい税理士を選ぶことができるので、2つのポイントについて解説します。
説明が上手でわかりやすい人
的確にわかりやすく説明をしてくれる税理士を選ぶことが重要です。確定申告など、自分で書類やデータを作成する必要がある場合は、どこに何を記載していいのかがわからなかったり、専門的な言葉の意味がわからなかったり、難しいことが多いです。
わからないポイントを税理士に教えてもらう際に、説明の仕方がうまくないと、理解するスピードが遅くなってしまいます。質問した際に、わかりやすく、何度でも丁寧に内容を説明してくれる税理士を選ぶようにしましょう。
返信が早い人
税金の申告には提出期限があります。もし、税理士に質問しても、返信が遅いと提出期限に間に合わないおそれがあります。すぐに気がついて、返信をくれるような税理士を選べば、ストレスなく安心して対応ができるでしょう。
返信の速さなどは、個人の性格にもよるため、事務所の規模などでは測れないポイントとなります。返信の速さの確認は、依頼を行う前に、税理士と少しやり取りをしてみるなど、返信をもらう機会をつくり、事前に確認をしておくとよいでしょう。
確定申告のサポートを目的にしている場合
確定申告のサポートを依頼したい場合の税理士選びのポイントです。
実績があり、信頼できるかどうか
確定申告のサポートを依頼するということは、自身や会社の財務状況や会計状況を、すべて提示するため、まさに丸裸の状態を開示することとなります。自身や会社の状況を開示する以上は、信頼できる税理士を選ぶ必要があります。
また、過去の実績や経歴なども確認し、トラブルの実績がないかどうかも念入りに確認しておくようにしましょう。
業務範囲はどこまでか
確定申告のサポートといっても、どこまで対応可能かは、税理士や事務所によって異なります。確定申告書を作成するだけなのか、毎月の経理業務も対応や税務調査の際に立会を行ってくれるかどうかなど、自身の希望を整理しどこまで対応してくれるのか確認することをおすすめします。
税理士報酬額は適切かどうか
税理士の報酬額は、税理士事務所や税理士ごとで設定している報酬額がそれぞれです。自身の予算に適しているかどうかを精査し、税理士を選ぶようにしましょう。
相続税に関する相談を目的にしている場合
次に、相続税の相談をしたい場合の税理士選びのポイントです。
不動産対応に強いかどうか
不動産の相続が発生する場合、不動産対応に強い税理士をおすすめします。適切な不動産評価を行うことで不動産評価額を下げ、相続税の節税が期待できるためです。
書面添付制度を利用しているかどうか
書面添付制度を利用していれば、税務調査の実施率を格段に下げられるというメリットがあります。この制度は、税務署に対して書類が適正であることを証明できるものとなり、もし申告漏れがあったとしても、加算税が課せられないという点もメリットなのです。書面添付制度を利用しているかどうか、必ず確認するようにしましょう。
実績があり、信頼できるかどうか
実は、税理士試験では、相続税法は選択科目です。つまり、相続税申告が不得意な税理士もいます。相続税申告を依頼したい際は、過去の実績を必ず確認するようにしましょう。
顧問税理士としてサポートしてほしいとき
最後に顧問税理士を選ぶ際のポイントです。
自社業界に詳しいかどうか
これまでに同業他社で顧問税理士を勤めたことがあるかどうかは、ひとつのポイントとなります。これまでの経歴をみて、とくに業界にこだわらずに税理士を決めても問題はないですが、自社業界に詳しければ、より的確なアドバイスが受けられる可能性があるため、自社業界に詳しいかどうかを確認しておくとよいでしょう。
依頼業務を得意としているかどうか
顧問税理士は、対応する業務の範囲がとても広いため、ある内容に関しての知識が深いなど、得意なものがあると考えられます。節税などの税金対策に力をいれたい場合は、控除制度などに詳しい税理士を選び、経営面でのアドバイスを受けたい場合は、これまでにコンサルティング経験があるかどうかや、自社業界に詳しい税理士を選ぶなど、自身が希望するサポートを安心して受けられる税理士を選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回は税金に関して、それぞれの税理士の選び方について解説しました。まず前提として、税理士とはいっても人間であるため、説明が上手だったり下手だったり、返信が早かったりルーズだったりとさまざまな人がいます。
また、確定申告や相続税など、項目によって得意不得意もあるので、これまでの実績や得意かどうかを確認した上で、選択することが重要です。顧問税理士に関しても自社業界に詳しく、希望するサポートに対応してくれるかどうかも確認した上で決めるようにするとよいでしょう。
・税理士事務所を選ぶのがむずかしい
・そもそも何を相談できるのかわからない